あるものは夏草に光る水滴をながめ
あるものは小川の氷膜に挟まった
小枝などをたんねんに調べています。
unaたちがやっていることそれは
あたらしい季節の音を見つけ出して
草や木や動物たちにそれを知らせて
あげるのです。
「あたらしい季節の音を見つける」
ってどういうことでしょうか。
それではまだ暑い夏の日に
青い帽子と青い服をきてでかけた
「unaたち」の様子をみてみましょう。
このunaたちは秋の音を
探しているようですよ。
☆☆☆
「このあたり へんなおと する」
とunaがいいました。
unaが草をかきわけると竹の皮が
何枚かひいてありました。
もうひとりのunaがそれをめくると
地面にunaひとりが通れそうな穴が
あいています。
「あな だ」
とunaは嬉しそうにいいました。
「みえるか?」
とunaがのぞきこみました。
穴の奥は暗くてよくみえませんが
木の根がうまい具合に
はしご状になっていて降りられそうです。
「いって みよう。」
とにやにやしてunaがいうと
「そうする!」とすぐに答えました。
unaは正装を汚さないように
気をつけながら穴をおりました。
降りていくと穴の地面らしき部分に
つきました。
unaはしばらくは目を慣らすため
じっとしていました。
不思議な場所でした。
幅はせまいのですがずいぶんと
奥行きがあります。
「おと する?」とunaが聞くと
「しない。」とunaが答えました。
奥のほうは暗くて何があるのか見えません。
「いってみる?」
とunaが聞くともうひとりも
頷きました。
暗闇をしばらく歩くと
そこは行き止まりでした。
「なんだあ」とunaたちは
つまらなそうな顔をして
引き返そうとしたのですが
ふたりそろってずぼりと穴に落ちました。
どすん。
「なに か?」
unaたちは目をぱちくりとさせました。
さっきの空洞の下に
また穴があったのです。
またまた奥行きがずいぶんとある
通路のような穴です。
「おと がする」
とunaは奥の暗闇を
指差していいました。
「ねずみ のあな か」
とunaがいいました。
「うさぎ のあな かも」
ともうひとりがいいました。
暗闇を歩くとまた行き止まりです。
今度はunaたちは足元を
注意深く調べました。
すると苔(コケ)の花で
隠された穴がみえました。
穴からははしご代わりになりそうな
木の枝がみえます。
ふたりはそろって首をかしげながら
はしごをおりました。
unaたちが降りていくと
何かが動いたような気がしました。
「なにか いた」とunaがささやくと
「へび かも」
とunaは震えながらこたえました。
目が慣れてきたとはいえ地表から
ずいぶんと潜った穴の中です。
数歩先くらいまでしか視界がありません。
少し歩くとうすいカーテンのようなものが
通路をふさいでいました。
unaたちはそれを一枚一枚まくりながら
進んでいきます。
しかしまくってもまくっても
新しいカーテンがかけられています。
まるで同じところを永久に
回り続けているのように思えました。
「かえ ろう よ」
とunaが半べそをかいていうと
「おと が おおきく なった」
ともうひとりが腕をひきます。
もうひとりも怖くて帰りたいのですが
ここが何の穴なのかが知りたくて
仕方なく足をすすめました。
もうどのくらいカーテンをまくったのか
わからないくらいになった頃
ようやくカーテンがなくなりました。
行き止まりです。
unaたちはすぐに足元を
注意深く調べました。
すると今度は白根葵(しらねあおい)で
隠された穴がみえました。
またはしごのような枝があります。
もしも本当にヘビでもいたら
逃げ場はありません。
でもunaがもっと怖いのは
この穴を掘った相手が
検討もつかないことです。
もぐらやミーアキャット
(巣穴をほるマングース)は
迷路のような穴を掘りますが
穴を草で隠したり
何百枚もカーテンを
敷き詰めることはしません。
unaはすっかり怖くなってしまいました。
ふたりのunaが震えながら降りると
今度の穴には特に障害物は
見当たりませんでした。
しかしunaは足が動きませんでした。
だってあきらかになにかがいて
こちらをみているからです。
unaたちはお互いにしがみつきながら
「だ れ ?」とかすれた声をだしました。
するとそのなにかは
こちらに歩いてきました。
それはちいさくて可愛い子リスでした。
リスはunaをみて
「へびかとおもった にげてそんした」
といいました。
ようやく落ち着いたunaが
「ひとり?」
と聞くと子リスはうなずきました。
子リスは首をかしげながら
「なに しに きた の」といいました。
そうです。
ふたりは秋の音を探しにきたのです。
「おくから おと が する」
とunaはいいました。
もうひとりのunaが
「する ね」といいました。
穴の一番奥には一冊の本がありました。
unaが本を開くと間から
一枚の紅葉がパラリと落ちてきました。
もう一人のunaがそれを手にとる
とサクリという音を立てて
少しだけ崩れました。
「サクリ だって」
とunaがいうともうひとりも
「サクリ だったね」
満足そうな顔をしました。
子リスは「それ なあに」
と不思議そうな顔をして聞きました。
unaたちは
「サクリサクリ」とつぶやきながら
子リスと一緒に戻り始めました。
帰り道は怖くありません。
だってこの穴は土にうまった
本棚なのですから。
その本棚の一番下の本に紅葉の
押し花がはさまっていて
それが秋の音を教えてくれたのです。
地表にでると
空は抜けるような青を輝かせて
草花たちも太陽の光を跳ね返していました。
unaたちはもう秋の音を知っています。
真っ赤にさいたサルビアの花や
白根葵のうす紫に
「サクリサクリ」
と季節の変わり目がくることを
教えてあげたのでした。
おしまい。
商品名/
Una/Turn of the season01(季節の変わり目)
予約受付開始/2010年6月24日
税込価格/10590円
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una-dollの新しいシリーズの第一弾。
季節の変わり目を探すという
ファンタジックなミニストーリーにそって
デザインされた青い帽子と
ワンピースがついています。
足元のサボには赤い飾り付。
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お問い合わせ先/発売先
ビッグビィ tel011-790-6182
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